※令和3年度の職員募集は終了しました。藤、ツツジ、シバザクラ。新緑と色鮮やかな花々がまちの景観を彩る季節は、イベントがなくぽっかり空いた心の隙間を満たしてくれます。能越自動車道・氷見ICへ向かう鞍川バイパスを進むと左手に見えるのは、有磯高校メモリアルパークの藤の花。規模は小さくとも、真白な花の連なりを眺めることができます。県立有磯高等学校は、2012年3月をもって閉校し、93年の歴史に幕を下ろしました。それを記念し建てられたのが当メモリアルパーク。“メモリアルパーク”の名前から、解体されたのち更地になってしまったのではと想像される方もいらっしゃると思います。しかしかつての学び舎は、市民に親しまれる市庁舎へと姿を変え歴史をつないでいます。今回は、廃校となっていた旧有磯高等学校の体育館と校舎の一部をリノベーションし整備された氷見市役所(※1)からお送りしていきます。※1:2014年4月開庁氷見市役所は令和4年4月の職員採用へ向けて、令和3年度氷見市職員採用案内を公開しました。令和3年度氷見市職員採用案内|氷見市役所公式サイトそれに伴い、市役所とTomorrowWorks.は協働して、若手職員による座談会を開催。実際の仕事内容や市役所で働くなかで感じること、氷見での暮らしのことなどをざっくばらんにお話しいただきました。出席していただいたのは、以下のお三方。荒井 颯也さん(市民部福祉介護課 主事)入庁3年目濵手 慧さん(総務部総務課 主事)入庁3年目宮下 菜摘さん(市民部市民課 主事)入庁4年目東京から移住された荒井さん、様々な職種を渡り歩かれた濵手さん、氷見が好きでUターンされた宮下さん、興味深いバックボーンを持った方々からお話を伺うことができました。どうぞ最後までお楽しみください。..ー ご自身の仕事内容を教えていただけますか?荒井 颯也さん(以下、敬称略):私は普段、福祉介護課で介護保険制度の業務を主に携わっています。具体的には、65歳以上の方に賦課(ふか)される保険料を納めていただくための管理や、実際に介護サービスを使用されるときは、所得などによって使えるサービスが変わりますのでその計算を行っています。濵手 慧さん(以下、敬称略):私は、この春から総務課の方へ異動になりまして、職員の給与管理を主に担当しています。職員皆さんの時間外手当や扶養手当など、各種お金に関わる業務が中心です。宮下 菜摘さん(以下、敬称略): 私の仕事は、市民課で保険年金の担当をしています。国民健康保険や75歳以上の方が加入される後期高齢者医療に関するお問い合わせ、各種申請の窓口業務を中心に取り組んでいます。私も去年の10月異動で市民課へ異動して、今はまだ勉強中です。ー 所属されている職場の特徴や雰囲気を教えていただけますか?荒井:どの自治体にもある介護保険制度の管理を私たちの課で行っています。規模の大きい自治体だと、多い人数で対応するのですが、氷見市の場合は人数が少ない分、一人ひとりがより多くの専門的知識を持って業務を担当しています。濱手:私のところは皆さん明るくて、分からないことを聞きやすい雰囲気だと思います。ただ一方で、業務で扱う情報が、お金のことや人事に関することなど非常にセンシティブなので、締めるところは引き締めて情報を扱わないといけないです。そういった仕事のメリハリはみなさんすごく出来ていて、私も見習っていきたいなと思います。(写真提供|氷見市役所)宮下:私の課も荒井さんと同じように、窓口業務は職員みんなで出て申請受付をします。受付後の事務処理などは担当がわかれているので、各担当へバトンタッチする流れで仕事をしています。窓口業務では自分の分からないことを聞かれるときもありますが、市民課はチームワークがすごく良く、みんなで助け合う温かい雰囲気を感じています。ー 日々の業務で大切にされていることを教えてください。荒井:私の課に来られる方は、介護が必要になられた方など、何かしら困ってることがありいらっしゃる場合が多いです。なので、定型的に書類を受け付けるだけではなく、お話のなかで別の担当や部署に繋ぐ必要があると思うと素早く連携をとることで、手元の書類が良ければそれで良いとはならないように気をつけています。他には、窓口で一緒に確認しながら書類を書いたり、なるべく細かく丁寧に業務を行うよう心がけています。氷見市役所の1階部分は各種窓口を集約させ、市民の方がワンストップでサービスを受けられる設計になっています。(写真提供|氷見市役所)濱手:心がけていることよりは目指したい形になるのですけど、時間と正確さのバランスをしっかりしたいと思っています。給与の管理は、期日のある仕事かつ重要な情報を扱うの仕事なので、いかに早く正確に処理できるかということを常に意識しています。今はまだ慣れず、どちらもできていなく周りに迷惑をかけているのですけど・・・。宮下:窓口業務のなかで、来てくださったお客様に気持ちよく帰っていただきたいなと思い対応しています。今私が担当している保険年金の窓口には、お年寄りの方など、分からないことや不安に思ってることを抱えながら来られたりします。会話を進めていくなかで、「どういうことが気になっていますか?」や「これで大丈夫ですよ!」としっかり伝えてあげることで、気持ちよく帰ってもらえられるよう対応をしたいと思い日々業務に取り組んでいます。ー ちなみに、氷見でご年配の方は(方言の影響もあり)気が強い印象があると思うのですが、その点はどう感じておられますか?宮下:氷見弁の特徴として、怒っていなくても口調が少し強く感じるときもあります。そんな時は、「どういうご質問ですか?」や「今日はこういうことを聞きたいのであってますか?」というふうに掘り下げていくとお客様の聞きたいことや答えが明確なるので、特に口調とかではびっくりせずに、ゆっくりとお話させていただくことを心がけてます。ー ご自身の仕事のやりがいを教えていただけますか?荒井:介護保険というのは保険料を納めていない場合、いざ何かあったとき不利益に働くことがあります。なかには、「介護なんか使わない!」と思う方もいらっしゃるので、制度についてなるべく丁寧に説明するよう心がけています。納得して払っていただくことは、不利益が生じることを事前に防げたことになりますので、(しっかりと説明して)良かったなとやりがいを感じますね。(写真提供|氷見市役所)濱手: 一番安心したのは、給料日の翌日に職員みなさんが安心して仕事されていたことです。自分の処理した給与が、しっかりと行き渡ったという安堵感ですね。他には、職員の方から手当の申請についてお問い合わせがあった時、しっかりと答えてあげて感謝されたときが一番やりがいを感じます。ー 総務での仕事はなかなか感謝されにくいですよね・・・。濱手:少し前までの自分がそうですけど、毎月給料が入ることが当たり前だと思っていました。裏方にそういう人がいることを初めて知ったので、よりありがたさを実感しました。宮下: 私も荒井さんと似ているのですけど、窓口対応が終わったときに、お客様から「ありがとう」や「助かったわ」と声をかけてもらったときが、「窓口でしっかりと対応することができてよかった!」と思う一番の瞬間です。今はパーテーションがあるなかで、おじいちゃんやおばあちゃんは声が届きにくいことがあり大きな声でゆっくりと喋るのですけど、頑張って理解してくださった姿を見ると伝わってよかったなとやりがいを感じます。(写真提供|氷見市役所)ー 氷見市職員を志望された理由やきっかけを教えてください。荒井: 私は東京都出身で、大学の時に何度か富山県へ来ることがあり、なんとなく富山県で就職しようと思っていました。ー どうして富山県だったのですか?荒井:今までずっと東京に住んできた家族だったので、他の環境を知りませんでした。東京圏というと、栄えてるところから離れていくとなんとなく似たような街並みだったり、どこも同じような雰囲気だと思います。大学に入って色々な場所を旅するなかで、今までと違う雰囲気や環境にすごく魅力を感じました。それで雪国という土地柄に惹かれ、広い自然をひとり占めできる環境がある富山県はいいなと思いました。ー 氷見市へのつながりはどのようしてなったのですか?荒井:大学の時にインターンを申し込もうと思った時、他の自治体は”富山県出身の人限定”や”富山県内の親戚がいる人限定”という条件が多くありました。ただ氷見市の場合は、電話を掛けるとすぐにOKをもらえました(笑)。受け入れる間口の広さを感じましたね。最初の観光で氷見へ行った時は、氷見駅からひみ番屋街くらいまでの狭いところしか知らなかったのですが、インターンで商工観光系のところへ行かせていただいたこともあり、海だけでない氷見の魅力が沢山あることが新鮮に感じました。観光地など氷見には見るべきところがいっぱいある上に、普段暮らしやすい環境というのが率直な感想でした。濱手:もともと生まれは氷見市で、大学で関東へ出たのち就職で地元に戻ってきました。そしてまた関東へ出て、再びUターンし今に至る感じです。2回行って2回帰ってというパターンです。(戻ってきた)きっかけは、結婚が一番大きかったです。前職のときに、富山の会社の関東支所にいた富山県出身の妻に出会い結婚となった際、子育ては富山県でという妻の要望を加味して戻ろうと思いました。仕事としては、今まで金融機関や医療品を扱う商社に勤めてきて、お金など生活に必要な知識を学びたいという考えがありました。次は行政の仕事に魅力を感じ、市役所を受けてみようかなと思ったのがきっかけです。あと個人的に大きかったのは、行政で仕事をするのなら、自分の出身地を良くしたいという思いがありました。宮下:私も氷見市出身で、大学時代も富山県内で過ごしました。大学卒業後は、石川県の印刷関係の会社に就職しました。会社では富山県西部担当になり、氷見へ営業に行ったり氷見のイベントチラシを作ったりするなかで、”ひみまつり”や”ひみ食彩まつり”など色々なイベントが開催されていて盛り上がっている印象を受けました。一度外から氷見を見たとき、食も美味しいし、景色も綺麗だし、イベントもやっているし、あとは若い人が起業して頑張っておられる印象を持ちました。なので自分も氷見へ帰ってきて、氷見の魅力を伝えることができたらいいなと思ったのが市役所を志望した理由です。ー 入庁前と比べて、市役所で働くことのイメージの違いがあれば教えていただけますか?荒井:地元(東京)の役所だと、市民課の窓口は外部の会社に委託されていて、職員と市民の方が直接顔も合わさなければ言葉も交わさないこともあるみたいです。自分が窓口に立つ側になり、市民の方と直接会話を交わす環境は、今までの役所窓口のイメージと全く違うものでした。私の場合、市民の方と直接触れ合える仕事をしたかったので、良い意味でイメージの違いを感じました。濱手:強いて言うなら、思っていたより泥臭い仕事が多いというのは、前の担当課(環境防犯課)の時に感じました。ゴミの収集や道路にある動物の死骸の処理など、今まで当たり前とされていたことが全部市役所の仕事だったということを、実際に担当して初めて知りました。毎日スーツを着て仕事するようなイメージがあったのですけど、作業服を着て汗水流しながら働くのも市役所の仕事なんだというのがイメージと違ったところですかね。宮下:働く前のイメージは、色々な課があることは知っていましたが、どういう仕事をしてるかまでは詳しく分からずに入庁しました。最初は秘書広報課に配属させてもらい、毎日何かしらのイベントがあると取材へ行き、地域の人と近く接することができる仕事も氷見市役所の仕事としてあるのだなと知りました。ただ市役所で待っているだけではなく、自分から行く仕事もたくさんあると学びました。ー 氷見で暮らし働くことの魅力を教えていただけますか?荒井:暮らしていて特に困ることは何もないですね。私は、職場近くのアパートを借りてひとり暮らしをしていますが、満員電車の通勤もなく、ゆとりある生活ができていると感じています。海も山も近い環境なので、ちょっと行きたいなと思ったら行ける環境ですよね。休日は、海から朝日が上がるところを車から眺めたりして過ごしています。濱手:昨年、第一子が産まれまして、休日は子供と妻と3人で過ごしています。荒井さんもおっしゃった通り、山も海もあり自然が豊かなので、子供にもできるだけ自然に触れさせたいという思いがあり出かけて遊んでます。ー ちなみに2度のUターンを経験されたということですが、昔は地元に対してネガティブなイメージをお持ちだったのですか?濱手:趣味が音楽鑑賞なのですが、小学校の時から音楽系の雑誌を見たりしていました。やはり、音楽ライブなどは都市部に集中していて、ここにいても経験できないようなことが都市圏で行われていることに憧れを抱いていました。氷見で過ごすことにネガティブなイメージを持っていましたね。でも今は、新幹線が開通して交通の便も当時より良くなったので、日帰りや土日2日間でも十分楽しめるような環境になりましたよね。コロナさえ落ち着いて、子供がもう少し大きくなれば、たまに都市部へ遊びに行きたいなとは思います。宮下:今まで、平日1週間を頑張って働き、あっという間に過ぎ去っていくのが社会人のイメージでした。でも氷見は、比美乃江公園や朝日山公園など整備されたところが多いですよね。最近は、仕事帰りに夕日を見ながらウォーキングする習慣を始めたりして、仕事した後もリフレッシュできるような環境がすぐ近くにあるのはありがたいと感じます。ー 最後に、氷見市役所で働く先輩としてメッセージをお願いします。荒井:私のように外から来る人は最初、方言に引っ掛かると思います。特に課によっては、高齢の方からお怒りの電話が来ることもあります。怒ってらっしゃるのは分かるのですが、何に怒っているか分からないことが当初ありました。しかし日々暮らしていくと、何で怒っているのかやどういうことを話されているのかが、少しずつ分かるようになってきます。自然と、自分の喋る言葉も方言混じりになってきますね(笑)。地域とのつながりもありますので、外から来ても次第に慣れていける環境だと思います。濱手:市役所というと堅苦しいイメージがあり少し不安でしたが、思っていたよりもみなさんフランクですし、色々な考えを持った方がいらっしゃったり、自分の思ったことを言っても受け入れてくれるような環境があったり、氷見市役所で働くことの魅力を知ることができました。あとは、異動で部署を回ることになるので、人によっては楽しい職場じゃないかなと思います。色々なことを経験できるというのは魅力的だと思いますね。宮下:私は最初から氷見が好きだったのですが、一度外に出て、やっぱり氷見がいいなと思って帰ってきました。広報として働くなかで、知らなかった氷見の行事を知ることができましたし、地元の人は温かくつながりが強く、何かあったら助けてくれるような方も沢山いらっしゃいます。広報は2年半の間在籍したのですが、働くなかで氷見の魅力をもっと感じ、今は氷見がより大好きになっています。これからも住むならやっぱり氷見市で、子供も育てていけたらいいなと思います。UターンやIターン、氷見にもともと住んでいる方など、少しでも氷見に魅力を感じてくれた方と一緒に働けたら嬉しいです。(2021/5/12取材 文・編集・写真:北條巧磨)※ 撮影時はマスクを外していただきました。..最後までご覧いただきありがとうございました。氷見市役所で働くことに興味を持たれた方は、氷見市公式サイトの職員採用案内に関するページをご覧ください。令和3年度氷見市職員採用案内|氷見市役所公式サイト※ 当サイトからの受験申込は出来ませんのでご注意ください。