氷見のまちなかにはおよそ100mにも渡ってアーケードの商店街が続きます。いくつかの商店街組織が一直線に並んだ結果できた風景なのですが、時代とともにシャッターを降ろす店も少なくなく、かつての活気が失われてきています。しかし、近年ではまちなかで開業する若者・移住者・事業者が次々と現れています。都会と比べて家賃相場が低廉であることは大きな理由のひとつですが、最大の要因はやはりそこが「まち」であるからなのでしょう。漁港を中心に栄えた中心商店街――その記憶が残るまちに、今人々は再び惹きつけられています。そんなまちの一角に、地域を元気にしようとチャレンジをしている事業所があります。それが今回ご紹介する『株式会社ブリベンチャー』。チャーミングな名前のこちらの会社はその名の通り、この春開業したばかり。一体どんな会社なのでしょうか。「今現在は氷見市のふるさと納税に関連する業務に、親会社のビッグゲート(※)と一緒に取り組んでいます。」話してくれたのは、株式会社ブリベンチャー代表の岡田さん。「市内で返礼品(商品)を提供いただいている事業者のみなさんとの新しい返礼品の打ち合わせや、決まった返礼品を掲載していくための手続き、また寄付いただいた方々からの問い合わせの対応――こういった業務を市役所と定期的にミーティングしながら実施し、市への寄付をどうやって伸ばそうかと戦略を練っています」※『株式会社ビッグゲート』はIT技術を活用し、ふるさと納税をはじめとした地域課題を解決するための事業を行う会社で、拠点は北海道から沖縄まで。氷見市では4年前からふるさと納税事業を受託。受託事業に留まらず、各地で地域商社等の立ち上げも支援しており、ブリベンチャーもこうした流れから設立された形。「ただ一方で、弊社は“地域商社”として開業した会社です。まだ開業したばかりではありますが、将来的には、ふるさと納税の業務を回していくことだけでなく、自分たちで稼いだお金を使って地域課題解決のための投資をしていけるような会社を目指しています」インタビューにうかがった事務所は、玄関を入ってすぐに応接スペース、奥がオフィススペースとバックルーム。ガラスで仕切られており、スタッフの皆さんはゆとりを感じられる空間の中で作業していました。「事務所は現状3名が事務所に常勤する体制で業務を行っています。20代から30代、女性と移住者が多い職場です。事務所内だけでなく、親会社のビッグゲートの全国拠点ともバーチャルオフィスと繋がっていますので、不明なことやわからないことが出た場合は全国のチームと連携しながら業務を進めています」そんなブリベンチャーが今回募集するのは、「氷見の魅力発信スタッフ」。具体的にはどのような業務があるのでしょうか。「まずは寄付いただいた方々や返礼品掲載事業者からの問い合わせ対応が中心になります。そこから習熟度合いに応じて商品の掲載、紹介記事の制作、事業者の皆様との新商品開発等も行っていただきたいと考えています」どんな方にきてほしいですか?「人と話すことが好きな方。あとは…コツコツと積み重ねる作業が好きな方。実はホームページの修正等は地味な作業なんですが(笑)、そういう積み重ねがお客様の満足度に繋がります。スキル面で言えば、WEBにまつわる仕事なので、そういった経験があれば理想ですが、絶対ではありません」「それと、この仕事は移住者に向いていると思います。もちろん地元の方でも構わないのですが、氷見に住んでいる人が『当たり前』だと想っていることを『面白い』と感じられる外からの目線が重要です」最後に、岡田さん自身も移住者ということですので…是非、今回このような形で起業するに至った経緯をお聞きしたいと思います。「私は広島県出身で、コンサルティング会社に入社し、横浜で7年暮らした後、6年前に氷見に移住してきました。当時、氷見市ビジネスサポートセンター(ヒミビズ)でセンター長の募集があり、ご縁をいただいて氷見にきました」ヒミビズのミッションは地域の事業者さんの経営相談に乗り、事業者の強みを活かして売上を上げるお手伝いをすること。岡田さんは4年間に渡ってセンター長として、多くの事業者へのアドバイスを行ってきました。氷見に“地域商社”があったら、という構想は実はこの頃から既に考えていたそう。色々な事業者さんとの会話の中で、そのアイディアを伝えると『面白いね』とは言ってもらえるものの、それぞれに自分の仕事があるため『じゃあ誰がやるの?』というところで話が終わってしまう…「そんなことが続くうちに、自分がいいと思うことは自分でやればいいと思うようになったんです。それでヒミビズを卒業して、今こうして動き出しました」移住から起業まで、「やってみたい」、「こうありたい」…そんな想いのままに変化を恐れずチャレンジを続ける岡田さんから感じられるのはまさに『ベンチャー』精神。そしてそれだけでなく、「氷見を良くしたい」という地域愛が言葉から伝わってきます。「氷見はすごく楽しいまちです。よく言われる景色がすごいとか、美味しいものがあるとか、それはもちろんなんですが、個人的には“人”が面白い。色々な考えを持ったユニークな人が多い地域だなと思います。一色ではなくて、様々な色が混じり合った、彩りのあるまちですね」氷見が好きでその魅力を世界に発信していきたい方、あるいは氷見を好きになって、これから氷見で暮らしていこうと考えている移住者さん、そんな方がブリベンチャーの仲間になって、さらに魅力的な氷見をつくり、発信してくださることを願います!インタビュー写真:藤田 智彦取材日:2025年※ 記事内年数は取材当時のものです。<求人情報>● 氷見の魅力発信スタッフ