“ 食の都 ”と評される氷見市。季節が秋冬へと移り行くにつれて、食にまつわる企画やイベントが次々と開催されます。「氷見牛フェスタ(2022年10月21日 - 11月6日)」もそのひとつで、ブランド牛である氷見牛の美味しさを多くの人に知ってもらおうと実施されました。ちなみに氷見牛は、市内で12ヶ月以上の肥育が条件とされる黒毛和種で、かつ日本食肉格付協会が定める評価基準を満たした牛のことを言います。また、上位等級(A4ランク以上)が全体平均の85%以上というデータは、その質の高さを物語っています。今回ご紹介する「レストラン トロイカ」は、市内で氷見牛を取り扱っている数少ないお店のひとつです。国道沿いに立つ檸檬色の看板が目印。小道を進むとすぐに店舗が見えてきます。先代から数えて65年以上も続く当店では、オーナーの谷内吉成さんが調理を、妻の律子さんがホールを担当しています。レディースステーキランチ(氷見産コシヒカリ・国内産ホルスタイン種を使用)「これまでずっと働き続けてきましたし、引き継いだ後は、家族とゆっくり過ごしたいですね」と今年65歳になった谷内さんは言います。今回の『氷見で継なぐ。』では、トロイカが築いてきた歴史を受け継いで、新たな食の価値を生みだす料理人を募集します。“ 氷見でお肉を食べる文化は、世代を超えて ”トロイカの歩みは、昭和31年(1956年)から始まります。先代のお父さんが氷見市中央町で洋食レストランを開店すると、商店街を訪れる多くの人をもてなしました。平成16年(2004年)に現店舗(氷見市窪)へ移転すると、洋食レストランからステーキハウスへリニューアル。質の高いステーキとこだわりのワインを堪能できるお店として、市内外から高い評価を得てきました。「私自身、子どもの頃からお肉が好きでした。氷見ではお魚を食べる習慣の方が定着していると思いますが、私としてはもっとお肉を食べて欲しい。そう思って肉料理を提供してきました。また市内では、ステーキを専門にしている料理店は無かったので、ステーキハウスをやろうと決めました」西洋のアートやオブジェが目を引く店内を巡ると、テーブル席からカウンター席、個室に至るまで、さまざまな要望に応えられる用意がなされています。そのため、祝いの席などでもよく利用されるそうです。谷内さんは、家族の食事風景に料理人として立ち会えることこそが、働くやりがいと言います。「開業から65年以上も経っていますので、昔からのお客さまもいらっしゃいます。何よりも家族のハレの日に、ステーキを食べにきてくださるのはとても嬉しいです。小学校へ上がる前の小さいお子さんが、親御さんからナイフやフォークの使い方を教わりながら、無心でお肉を食べている姿を見ていると、私も幸せな気分になりますよね」“ 素材の美味しさを、美味しいままお届けするために ”「地元の人にもステーキを食べて欲しい」という谷内さんの想いから、トロイカはステーキを専門とするお店へと変化してきました。「移転当初は、ハンバーグなどの一般的な日替わりランチメニューも出していました。ところが次第に、ステーキランチの方がよく注文されるようになってきました。普段よりもちょっと特別なランチが、求められるようになったのかもしれませんね」人気メニュー「キノコのパイスープ」当店がステーキハウスとして知られるようになった頃、氷見では、同市で飼育されている牛をブランド化しようとする取り組みが始まります。谷内さんは、氷見牛ブランド促進協議会の理事も務めており、氷見牛の立ち上げから今日まで尽力してきました。「氷見牛の魅力は、何より生産者の方が手塩にかけて育てていることだと思いますね。ですので、氷見牛の仕上がりの良さ・美味しさを、そのままの状態でお届けできるよう調理しています」市内の料理店で、氷見牛のステーキを提供している個人のお店は当店のみ。生産者とコミュニケーションを取りながら、美味しいお肉を美味しく提供するための努力を日々続けています。素材の美味しさを引き出すためのノウハウは、知識だけでなく経験も必要不可欠。引き継ぎの際は、谷内さんから調理方法を教えてもらうことも可能です。“ お店のスタイルはこれから引き継ぐ人に委ねたい ”洋食レストランからステーキハウスへ、当店のスタイルは時代とともに変化してきました。そのため、今後どのような料理を提供するかの判断は、これから引き継ぐ人に委ねられます。「必ずステーキを提供して欲しい、という強いこだわりはありませんよ。ただ、専用の設備や道具が揃っていますので、(ステーキや洋食の方が)やりやすいかとは思います」肉料理にはワインも欠かせません。当店では、それぞれのお肉に合ったワインを提供しているのはもちろんのこと、地下にはワインセラーも備えています。この建物は当初、店舗兼住宅を想定して建てられました。居住部分にあたる2階は、新たに手を加える必要こそありますが、職住一体で働くことも可能です。2階部分。シャワールームとトイレは設置済(写真奥)今回の案件は、食資源に恵まれた地方へ移住して、自身のお店を出したいと考えているひとにおすすめです。氷見市では、そのようなひとに向けたサポートも充実しています。住まい・暮らしに関することは「氷見市IJU(移住)応援センター・みらいエンジン」が、引き継ぎ後の経営に関することは「氷見市ビジネスサポートセンター・Himi-Biz」が、親身になって応援します。その他、移住や継業に関する補助金も用意されています。詳しくは、下記の市公式HPの専用ページからご覧ください。・住まい・移住に関する補助制度について|氷見市公式・氷見市継業支援事業補助金について|氷見市公式“ 氷見を好きになって、氷見に愛されるお店へ ”谷内さんは、氷見の高校を卒業後、東京のフランス料理店で腕を磨いた経歴も持っています。その経験を活かして、魚料理を出していた頃もあったそうです。「昔は、魚料理を出していた時期もありました。けれども、手間がかかりますし、若い時のように同時並行で調理するのが難しくなってしまいました。若い頃の元気があれば、品数を増やして、お客さまをもっと喜ばせたかったですね」山と海、大自然の恵みを受けている氷見は、食材の宝庫です。料理人のアイデア次第で、料理の可能性は無限大の広がりを見せることでしょう。これから引き継ぐ人へ向けて、最後に谷内さんの想いを伺いました。「(引き継いだ後は)ずっと長くお店をやって欲しいですね。せっかく氷見へ住まいも移すのですから、氷見を好きになって、氷見に愛される店になって欲しいです」谷内さん夫婦からバトンを受け継いで、トロイカの新しい歴史を築いていきませんか?(2022/11/7 取材 文・写真:北條巧磨/Himigraph)<基本情報>・事業者名レストラン トロイカ・所在地富山県氷見市窪788-1(Google Mapsへ)・代表者谷内 吉成・営業時間<ランチ> 午前11時30分 ~ 午後2時00分(ラストオーダー:午後13時30分)<ディナー> 午後17時00分 ~ 午後21時00分(ラストオーダー:午後20時00分)・定休日火曜日・HP・その他* 希望譲渡金額は、事前面談の際にお知らせします。* 賃貸についても応相談※ 事業の引き継ぎをご希望の方は、下記の「ご応募・お問い合わせ」ボタンよりご連絡ください。後日、弊サイトよりご案内いたします。